快適に暮らすための“屋根選び”
2025.06.04
普段、あまり意識することのない「屋根」。ですが私たちの暮らしにとって、単に雨風をしのぐためのものではありません。暑さ・寒さを防ぐ断熱という点でも、屋根はとても重要な役割を担っています。
今回はそんな「屋根」に焦点をあててお話をしたいと思います。

家の中で、もっとも太陽の熱を直接受けるのが屋根です。真夏の日差しを受けた屋根の表面温度は、なんと60〜80℃に達することも。その熱が室内に伝わってしまうと2階だけでなく1階にも影響が出て、冷房の効きも悪くなってしまいます。反対に、冬は屋根から熱が逃げやすく、暖房の効率が落ちてしまいます。
屋根の断熱性能は、冷暖房の効率や電気代にも大きく関わってくるのです。
■屋根の材質
屋根にはさまざまな種類があります。
●瓦屋根
断熱性・遮音性が高く、熱を伝えにくい性質があります。耐久性に優れていて50年以上もつこともあります。ただし重さがあり、地震や強風で落ちてしまう可能性もあります。また、初期費用は比較的高めですが、部分修理できるのは魅力です。

【豆知識】
島根には「石州瓦(せきしゅうがわら)」という石見地方で生産される粘土瓦があります。日本三大瓦の一つとして知られており、出雲で産出される来待石を原料とした釉薬の美しい赤茶色や地震・台風・塩害など耐久性の強さが特徴です。

●金属屋根(ガルバリウム鋼板やメッキ鋼板、ステンレス、アルミなど)
軽量で耐久性も高い屋根で、建物への負担が少ない屋根です。近年、地震に備えて金属屋根へリフォームする方も増えていますが、熱を伝えやすいため断熱材との併用が重要となります。

●スレート屋根
一般住宅や倉庫などに広く使われている屋根材で、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材です。初期費用が安く価格を抑えられるのが魅力ですが、塗装や防水など定期的なメンテナンスが必要となります。また、断熱性も高くないため断熱対策は必須となります。

素材を選ぶと同時に、断熱の対策や通気の設計などの快適性にも大きく影響します。そのため屋根の材質を選ぶこと=見た目の印象にも住み心地にもつながる、と言っても過言ではありません。
■新築で家を建てるとき
新築で家を建てる場合は、最初の設計段階で屋根の断熱性能をしっかり考えておくことで、将来的な光熱費の節約やメンテナンスのしやすさにつながります。
特に高気密・高断熱住宅を希望される方は、屋根断熱の仕様を明確に確認しておくことが大切です。また、屋根の形状や軒の出方によって日射の影響が変わるので注意が必要です。
■屋根をリフォームするとき
「最近2階が暑くて(寒くて)眠れない…」「冬になると天井から冷えが降りてくる気がする」「熱が籠っている感じがする」そんなお悩みがある場合は、屋根の断熱リフォームが有効かもしれません。
たとえば、
- 屋根材の葺き替え時に断熱材を追加
- 天井裏に断熱材を吹き込む・敷き詰める
- 遮熱塗装を施す(屋根表面の温度上昇を抑える)
など、お悩みに応じてさまざまなリフォーム方法があります。

屋根は暮らしの快適さや建物の寿命にも直結する、とても重要な部分です。
新築をご検討の方はもちろん、「夏の暑さが年々つらくなってきた」「屋根の耐用年数が気になる」「断熱も含めてリフォームを検討している」という方は、この機会にぜひ、屋根についても考えてみませんか?
もちろん屋根だけでなく、お客様の夢や希望、住まいの状況やライフスタイルに合わせてさまざまなご提案をしています。いつでもお気軽にご相談ください。
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