「夏型結露」にご用心!
2025.07.02
今年の梅雨はあっという間でしたね💦
本格的な暑さが始まり、すでに冷房が欠かせなくなっています。ところがこの季節、目には見えにくい場所で思わぬトラブルが起こることがあります。それが「夏型結露」です。
「結露って冬に起きるものじゃないの?」と思われる方も多いかもしれません。確かに、画像のように窓に水滴がつくような“見える結露”は冬が中心です。

しかし、夏でも結露は起こるのです。それも、壁の中や天井裏などの“見えない場所”で発生するため、気づいたときには家に深刻な影響を与えていることもあります。
今回は、そんな夏型結露のメカニズムと、家づくり・リフォームで気をつけたいポイントをご紹介します。
■夏型結露とは?
夏型結露とは、冷房で冷えた室内と外気の温度や湿度差が原因で、建物の構造内部に発生する結露のことです。
たとえば、
- 外気温は35℃、湿度も70%以上
- 室内は冷房で25℃以下に冷やされている
- 壁の外側から入った湿気が、冷えた壁の内側に触れて水分として凝結
上記のようなとき、壁の中で“見えない水滴”が発生するケースがあるのです。
そしてこの「夏型結露」の怖いところは、目に見えないところで静かに進行してしまう点です。
気付かないうちに壁の中の断熱材が劣化して性能が落ちる・木材が腐る・カビが発生して室内環境が悪化する……このほか腐敗が酷くなると、大規模な修繕が必要になることもあります。

■夏型結露を防ぐには
実は、高断熱・高気密の家ほど「夏型結露」が起こりやすい傾向にあります。
とくに室内温度と外気の温度差が大きい家や、通気がうまく確保されていないお家では、湿気が逃げにくいため結露が起こりやすくなってしまいます。この点の仕組みは冬の結露と同じですね。
そのため、新しく家を建てる際やリフォーム・リノベーションをお考えの際は、調湿・防湿の面で下記の点に注意する必要があります。
- 通気層の確保
壁体内に空気が流れる空間を設けることで、湿気がたまるのを防ぎます。
- 適切な防湿・透湿シートの施工
壁内の湿気をコントロールして、構造材を結露から守る必要があります。今はさまざまな材質・形状のものがあるため相談のうえで施工するのがおすすめです。
- 気密施工の精度を高める
窓や換気口など、湿気が入り込む隙間を最小限に抑えたり劣化を防いだりすることで、結露のリスクを減らします。
- 屋根・外壁の断熱設計の見直し
夏の直射日光による熱の伝わり方を考慮して、断熱の設計をする必要があります。特に家族が集まるリビングや寝室、熱が籠りやすい二階や屋根裏は「こんなはずじゃなかった」とならないようしっかり確認する必要があります。

もちろん、居住家屋だけでなく店舗や公共施設なども同じです。
建物の性能と寿命、そして快適な室内環境を保つためにも設計段階から対策を取り入れることで、”見えない不安”に対処することができます。
弊社ではお客様の夢の実現とともに快適かつ高性能な住宅の設計・施工をおこなっております。
ぜひお気軽にお問い合わせください😊

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