日射と間取りの相性
2025.07.09
「南向きのリビングは明るくて快適」と思っていたのに、夏になると暑くてエアコンが効きづらい…。あるいは「夜になっても寝室が蒸し暑い」…そんな経験はありませんか?
もちろん断熱性能や気密性などの影響は大きいです。ですが、ほかにも「日射」と「部屋の向き・窓の設計」が関係しているかもしれません。

■日射=太陽から届く光+熱のエネルギー
日射とは太陽から放射されて地上に届く「光」と「熱」のエネルギーのことをいいます。
山陰は地理的特性から曇りや雨が多いため比較的日照時間が少ない地方です。それでも日射量・日照時間は室内温度に大きく影響します。特に夏は太陽高度が高く直射日光が入りやすくなるため、南〜西の方角に大きな窓があると、室内に強烈な熱が入ることになってしまいます。
また、日射によって一度暖まった床や壁が建物内に輻射熱(ふくしゃねつ)を発することで、夜間も温度が下がらない…ということも💦
輻射熱は断熱材や気密性能では防ぐことができません。季節ごとの日射や日照時間を計算したうえで、間取りの方角をしっかりと考える必要があります💡

■部屋の向きと日射の相性
各方位に応じて日射の特性が異なります。以下は、方位とその特徴です。(季節や立地、周囲とも関係によって変動があるため、あくまで基本的なものです)
⬇️南向き…一年を通して日照が長いため、冬はあたたか。夏は庇(ひさし)をつけるなどの工夫で日射をやわらげることができます。リビング・ダイニングなどに向いています。
➡️東向き…午前中に強い日射があるため、カーテンをしていても朝日が気になる場合があります。キッチン・早起きをする方の寝室などにおすすめです。
⬅️西向き…東とは逆で、午後から強い日射があります。夏は特に西日によって過酷となり、基本的に居室は避けた方が良いとされています。そのため、浴室や収納に向いています。
⬆️北向き…直射日光の影響はほぼ無く、安定している一方で一年を通して薄暗く感じることもあります。書斎・寝室・トイレなどに向いています。
リビングや寝室など団らんの場所・長時間過ごす場所や南や北を中心に考え、西面はなるべく避けたい方角といえますね🤔

■日射をコントロールするために
お家を建てる際やリフォームする際は、全員が集まるリビングを中心に考えることが多いと思います。その際、日射をうまくコントロールすることがカギとなります✨
たとえば、
●明るく開放的な南向きのリビングは夏に備えて庇を設けておく(冬は太陽高度が低くなるため、庇の下をくぐって光が差し込むようになります)
●窓のサイズと位置を工夫する(天窓は自然光を取り込むのに最適ですが、夏は直射となるため設計時には注意が必要です)
●熱が伝わりにくい窓ガラスを選んだり、カーテンやスクリーン・ブラインド等で熱を遮る
など、さまざまな方法があります。
生活サイクルや暮らし方によって向き・不向きがありますので、オススメの方法はお気軽にご相談ください😌

このように、設計段階での「日射と空間の相性」によって室内温度や冷房の効率は大きく変わります。
リビングは「明るさ」と「過ごしやすさ」を両立する工夫が必要です。一方、寝室は「夜の涼しさ」を確保するために、昼間の熱の蓄積をどう防ぐかが重要となります。
それぞれ太陽の動きと各部屋の向きの関係を理解して太陽光を活かすことが、快適な住まいへ繋がります。
「我が家の場合はどうだろう?」「周囲の環境が特殊で…」など、気になることがありましたら弊社までご連絡ください🎵

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