“ニオイ”の問題を考える
2025.08.27
エアコンの関係で閉め切ることが多くなる季節では家のニオイが気になりやすくなります。
室温や湿度が高まると、汗や生活臭はもちろん、押入れや畳の下のカビといった“隠れたニオイ”まで表に出てくることが💦 昔の家は木材や畳など自然素材由来の心地よさがありましたが、現代の住宅では人工的な香りが混ざって不快に感じられることもあり、近年は「香害」という言葉も広がっています。
そこで今回は、お家の“ニオイ”問題や施工面での工夫ポイントをお伝えします。

■ 住まいに潜むニオイの発生源
住宅内のニオイの原因はさまざまです。
建材や仕上げ材から発生する揮発性有機化合物(VOC)、ペットやタバコ、料理など生活由来のニオイ。押し入れやクローゼット、水回りにこもる湿気やカビのニオイ。こうした要因が複合的に絡み合い、その家特有のニオイを形づくっています。

また、住宅のニオイは仕上げ材によっても左右されます。
ビニールクロスで仕上げられた壁はニオイを吸着しにくいため、生活臭がそのまま残ってしまう傾向があります。反対に、漆喰や珪藻土などの自然素材は調湿性に優れ、湿気と一緒にニオイも和らげてくれる働きがあります。

畳や無垢材もまた“呼吸する素材”として、空気感を穏やかに整えてくれます。「どんな素材で仕上げるか」によって、住まいの空気の印象は大きく変わります。

■ 換気と施工でできる工夫
しかし、どんなに素材にこだわっても、空気が動かなければニオイはこもってしまいます。
ときどき「電気代節約のために24時間換気を止めている」というご家庭がありますが、点検以外で切ることはおすすめできません💦 シックハウス症候群のリスクだけでなく、湿気やニオイが室内にこもり、不快感が増してしまいます。
※シックハウス症候群…建材や家具などに含まれる化学物質が原因で起きる体調不良のこと(めまい・頭痛・倦怠感・呼吸器系の症状など)
押入れやクローゼットなどの収納空間も同じです。背板を抜いて風が通るようにしたり、小さな換気口や内窓を設けるだけでもニオイのこもり方は大きく改善されます。

設計面では「空気の通り道をつくる」ことがポイントです。対角線上の位置に空気の出入口を設けることでお家全体の空気が流れやすくなります。
もしも「片側しか開けられない」という場合でも、サーキュレーターや換気扇などを活用して吸排気を促すことができます。

籠ったニオイを無理に強い香りで誤魔化してしまうと、かえって不快になったり、体調を悪くすることもあります。そのため建材・施工・換気などを見直してできるだけ“無臭で快適”な空気環境を整えることが大切です。
外出から帰宅した瞬間は特に違いを感じやすいもの。ぜひご自宅の空気を見直すきっかけにしてみてください😊
当社では住まいのニオイ対策や換気・施工に関するご相談も承っております。気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください✨

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