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木材の種類について

木材の種類について

2023.08.28


こんにちは。

前回、材木屋さんのお話をさせていただきましたので、今回は「建築用の木材について」詳しくお伝えしたいと思います。
 

日本は高温多湿という環境のなかで古くから木造建築が根付いており、自然素材である木材を積極的に活用してきました。この伝統は現代においても受け継がれ、洋室が主流になっても部分的に木の温もりや美しさを建物に取り入れることで、快適な住環境を創り出しています。
 

日本の建築に使われる木材は、その地域や気候に適した種類が選ばれる傾向があります。また、木材の特性や風合いを活かして、建物のデザインや機能を考慮した選定が行われます。


今回は代表的な国産の木材をご紹介します。
※用途はあくまで一例としてご参考ください。


1:杉(スギ)

環境の適応性が広く、丈夫なため日本で最も多く植林されています。

木目は真っ直ぐで美しく、柔らかくて軽いため加工しやすいのが特徴です。ただし別の木かと思うほど固い杉もあります。比較的手軽なため古代から建築材としてだけでなく、桶や樽、船などでよく利用されているため「国民的な木」と言われている木です。

語源には、真っ直ぐの木「直木」や「進木」などの説があります。

   

 

2:檜(ヒノキ)

特有の芳香があり、木目が美しく耐久性がある木材です。材質はやや柔らかめで軽いものの強度があり香りも良く、高級な木材として古来から寺社や仏閣などに多く使用されています。

日本では杉の次に多く植林されていますが、杉と同じ樹齢でも半分ほどの太さにならないため、その点でも高級品とされています。

また、「ひのき」という名前は古代に火起こしによく使用されたという説と、尊い・最高のものをあらわす「日」という字から「日の木」としている説があるようです。

 

 

 

3:松(マツ)

杉や檜に比べて、密度があり強いのが特徴です。ヤニ(天然樹脂)が多く分泌される松は粘りが強く、より強度が高くなる傾向にあります。傷つきにくく摩耗しにくいため、木材建築で屋根の重さを支える梁や桁など、水平に使われることが多くあります(横架材といいます)。ただし乾燥させるときに割れ・ねじれが生じやすい木材です。

また、松は神聖な木として考えられており、神々が松の木に降り立つことから「松(待つ)」という名がついた説が有力です。

 

 

 

4:桐(キリ)

軽くて丈夫という特性を持ち、吸水性・吸湿性が小さく断熱性に優れています。加工もしやすいため家具や贈答箱などによく使われます。ただし他の木材と比べると強度はやや劣っています。

かつては女の子が生まれると桐を植え、その子が育つ頃に伐採して箪笥などの嫁入り道具を作るという風習がありました。今でも婚礼家具として使用されることが多い木材です。

 

 

 

 

5:柿(カキ)

果物でよく知られる柿ですが、木材としても使われます。ただし柿材は硬く、割れやすく、密度が高いため加工が困難です。磨くと非常に美しい艶が出るため、床や柱、内部の装飾として使われることが多い木材です。

なかでも、写真のように樹齢150年を超えた柿の老木には稀に墨色のような黒が木目に入ることがあり、「黒柿」と呼ばれています。黒くなるのは1万本に1本程度の確率とされ、非常に貴重で高価なものとなります。

 

 

 

 

6:栂(ツガ/トガ)

強度が強く丈夫で敷居や鴨居などの建築材に使われることの多い木材です。しかし国産の栂は非常に数が少なく、手に入りやすい杉のほうが多く使われてきました。

現在では大量に輸入される北米産の(米栂/ベイツガ)が安価なため杉よりもよく利用されている場合もあります。

 

 

 

 

7:栗(クリ)

丈夫で重く、耐水性にも優れているため木造住宅では最適とされています。ただし木材として使えるようにするまでかなりの年月が必要となるため、あまり市場に出ることがない高価な材料となっています。ただしその硬さから加工は難しく、表面の木目の仕上がりも他の材木に比べると中庸です。

 

 

 

 

8:欅(ケヤキ)

重要な広葉樹の一つとされていて、かつては城や寺社などに使われてきましたが、最近では特に和風の家具など装飾的な部材として使われることが多い木材です。強度は強く耐朽性に優れていて、弾力があります。

成長が良く美しい木目があると化粧的な価値が高くなり、高価になる木材です。

 
 
  

上記は国産の木材ですが、輸入木材も含めると他にもさまざまな木材があります。

 

建物の性格や用途、お客様の好みや目的に合わせて最適な木材を選び、その美しさと機能を最大限に引き出すことが、日本の建築文化の一翼を担っていると言えます。

まさに「適材適所」。家を建てるなかで木材のことで悩んだり、困ったりしたことがあればいつでもご相談ください。事務所には数多くのサンプル品もご用意しております。

ぜひ実際に触れて確かめてみてください。

 

今回もお読みいただき、有難うございました。

 


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